石川のニュース 【7月13日03時16分更新】

旧松雲堂を再整備へ 小松市、年度内に実施設計

再整備される旧松雲堂の建物=小松市龍助町
 九谷焼とこまつ町家の二つの特徴を備えた施設が小松市中心部に誕生する。同市は12 日までに、明治期にヨーロッパで一世を風靡(ふうび)したジャパンクタニの販売元だっ た旧松雲堂(同市龍助町)の建物を再整備する方針を決めた。町家の特徴を持った外観は 保存した上で、中心市街地の魅力を高める施設へと改修し、活用を図る。

 小松市によると、松雲堂は藩政末期の九谷焼の名工松屋菊三郎の長男松本佐平が187 8(明治11)年に同所で開いた。殖産興業の時流に乗り、工場を最大6カ所経営して九 谷焼の販路を外国にも拡大して隆盛を誇った。初代徳田八十吉氏も松雲堂で修業を積んだ 。

 現存の建物は1931(昭和6)年の大火直後に建てられた。居住部分と陶房部分があ り、木造2階建てで延べ床面積は約200平方メートル。石蔵と物置各1棟もある。経営 悪化で2003(平成15)年に競売に掛けられた際、初代八十吉氏ゆかりの建物が撤去 されるのを危ぶんだ彩釉(さいゆう)磁器人間国宝の3代徳田八十吉氏が購入し、市に寄 付していた。

 建物には、延焼防止用の黒漆喰(しっくい)の袖壁や風雨をしのぐ板張りの「下がり」 など小松の伝統的な町家の特徴が残り、こうした外観を生かした施設にする。

 施設では、近くに九谷焼を展示している市立錦窯展示館があることから、市は九谷焼関 連は松雲堂やジャパンクタニを説明するパネル展示などにとどめる方針。観光客が市街地 を散策する際に立ち寄る魅力ある施設にするため、コンサートや発表会の会場、生け花、 茶道などの伝統芸能の練習施設などを念頭に置いて検討する。

 市は年内に実施設計を取りまとめ、早急に着手したい意向で「歩いて楽しい街づくりを 推進する上で、魅力アップにつながる施設にしたい」(文化創造課)としている。


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