
南極点に立つ大窪さん=今月9日(大窪さん提供)
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「本当に最高だった」。幼いころに病気で聴力を失った金沢市の会社員大窪康之さん(
36)が、ろう者としては世界最年少となる南極点に立つ夢を達成し二十一日夜、帰国し
た。一昨年八月には同じ障害を持つ友人とともに北極点にも到達した大窪さん。夢にまで
見た地球の両極点制覇には、障害に負けずに頑張る姿を通し、耳の不自由な子どもたちに
勇気を与えたいとの思いが込められ、仲間や友人からは快挙をたたえる声が相次いだ。
大窪さんによると、南極点に到達したのは現地時間の今月九日午後十一時三十九分。「
足が震えてとまらず、これまでの苦労もすべて忘れた」。白夜の空には太陽が輝き、大窪
さんは南緯九〇度の地球に広がる光景に見とれたという。
大窪さんは昨年春から準備を進め、冬場も自宅では暖房器具を使わず、窓を開けて寒さ
に慣れる訓練などに取り組んだ。先月二十五日に日本を出発、南米のチリから出る英国旅
行代理店の観光ツアーを利用し、航空機で今月七日には南極西側のパトリオットヒルズに
到着した。
その後、航空機で極点近くの米国のアムンゼン・スコット基地に向かい、そこから極点
を目指した。気温は平均氷点下一六度。「いい天気じゃないと飛行機は飛んでくれない。
気が気でなかった」。そんな心配もあったが、「運にも恵まれ」(大窪さん)、何とかス
ムーズに極点に向かうことができたという。
二十一日夜、成田空港着の航空機で帰国した大窪さんは、疲れも見せず「多くの人の支
えのお陰。子どもたちには、どんな障害があっても頑張れば夢は実現できることを知って
もらいたい」と笑顔を見せた。
朗報を待ち続けた友人の柳川将司さん(35)=金沢市=は「勇気と感動を与えてくれ
た。おめでとうと伝えたい」と喜び、大窪さんの出発前に県立ろう学校の児童生徒からの
激励の手紙を贈った同校教諭の高田隆二さん(40)=同=は「大窪さんの挑戦する姿は
子どもたちの励みになる」と話している。