
「いしかわメモリー」を手にする北野さん(左)と砂崎さん=能美市佐野町
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九谷五彩で装飾したパソコンのUSBメモリーが三日までに登場し、石川県内や東京な
どで販売されることになった。伝統の技と現代機器を融合させたユニークな製品で、伝統
工芸品の新たな可能性を探る北陸先端科学技術大学院大の事業がきっかけとなった。「ジ
ャパン・クタニ」の魅力を二、三十代の若い世代に発信する新たな手法として話題を集め
そうだ。
新製品の名称は「いしかわメモリー」。九谷焼製造販売の「青郊」=能美市佐野町=と
工作・電子機器設計製造の朝日電機製作所=白山市旭丘一丁目=が制作した。縦約二セン
チ、横約六センチの直方体で、表面に桜やヤマガラなどの鳥を九谷五彩で色鮮やかに描い
た五種類を完成させた。販売価格は一個一万円という。
開発に取り組んだのは青郊取締役の北野啓太さん(33)と朝日電機製作所取締役の砂
崎友宏さん(39)。二人は北陸先端大の講座「伝統工芸イノベータ養成ユニット事業」
に参加。講義を通して知り合い、九谷焼の販路開拓を目指す北野さんが九谷五彩を工業用
品に取り入れたらどうかと砂崎さんに開発を持ちかけた。
試行錯誤を経て試作品を完成させた二人が今年七月に東京で試験販売したところ、展示
した八個は完売。全国から引き合いが相次ぐなどの手応えを得たため、本格的に販売する
ことを決めた。砂崎さんは山中漆器を活用したメモリーも制作しており、「身近な品を通
して石川の伝統芸の魅力を若い世代にも伝えたい」と話している。