2012年2月3日 掲載
宙に浮き、2月入り 松井、所属先未定 FA市場、DHは厳冬

2月に入っても所属先が決まらない松井秀喜選手=1月4日、金沢市内
 【ロサンゼルス支局=杉山圭一郎】アスレチックスからフリーエージェント(FA)になった松井秀喜選手の所属先が決まらない。米メディアは2月第3週のキャンプインまでに契約がまとまると楽観視しているが、FA市場には松井と同じ外野手兼指名打者(DH)のベテラン勢が売れ残り、少ない枠をめぐる交渉は一筋縄ではいかず、大リーグ浪人、日本球界復帰、さらには引退さえ頭によぎる現実に向き合うことになる。

 自己最悪の成績でアスレチックスとの1年契約を終えた松井。シーズン終了後、代理人のアーン・テレム氏のもとには数球団から獲得の可能性を示す連絡が入った。後半戦に限れば3割近い打率を残したことで、それらの球団は「松井はまだ戦力になる」と一定の評価を下したのだろう。

 しかし、2月を迎えても所属先は未定だ。その背景には評価と優先順位の低さがある。FA市場において各球団は通常、年俸1000万ドル以上の大物選手から手を付ける。昨年425万ドルだった松井は、100万〜200万ドルが相場とみられている。松井は「幾つか小さい話がきているけど、大きい話(正式オファー)はきていない」と明かす。

 今オフのFA市場は例年になく厳しく、特にDH組にとっては過酷だ。松井のほか、ジョニー・デーモン、ウラジーミル・ゲレロ、ラウル・イバネスら実績十分の選手が売れ残っている。近年、DHを固定せず、その他の野手を交代でDHに置く起用法が進んでいるため、DHの市場価値が低下している背景も、ベテラン勢を苦しめている要因である。

 松井はDH制のないナ・リーグについても「必要とされれば(オファーを)受ける。守備は問題なくできる」と言う。日本では楽天やDeNAが獲得に前向きというスポーツ紙の報道が出たが、「大リーグしか頭にない。オファーが来なかったら、その時に考えるだけ」という姿勢に変わりはない。

 やきもきするファンをよそに、松井は「代理人に任せてある」と涼しげに話し、黙々と都内での自主トレを続けながら、テレム氏からの吉報を待っている。