
万引犯に賠償金を請求する内容が記された張り紙=川北町橘のディスカウントストア
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ドライバー一本を失敬した賠償金は代金の四倍。石川県内の大型廉売店が昨年夏から万
引犯に賠償金を求める対策を実施して半年間で、五十人に総額二十七万円余を請求した。
従業員が万引被害で本来の業務に支障が生じた時間を時給換算して実行犯に請求する対策
だが、商品の代金を大幅に上回る賠償金も。実行犯には「大きな」代償となり、店では再
犯がなくなるなど心理面でも万引の抑止効果になっているようだ。
万引犯に賠償金を求めているのは川北、津幡町の大型ディスカウントストア「プラント
3」。PLANT(坂井市)が昨年七月から九府県の二十店舗で始めた対策として、万引
犯の発見から警察署への引き渡し、被害届の提出、実況見分の立ち会いなど、従業員が万
引被害の対応に費やした時間を時給換算し実行犯に請求している。
川北、津幡店は今月二十日までの半年間で万引犯五十人を摘発。万引の対応に追われた
延べ百五十時間以上を、従業員の役職ごとの時給(八百―三千円)で換算した総額約二十
七万四千六百円を請求した。このうち四十二人が総額約二十万二千五百円の支払いに応じ
た。一件あたりの請求額は約五千円という。
川北店では先月末にドライバー一本(販売価格六百五円)を万引した男が代金の約四倍
となる二千五百円を請求された。さらに今月十六日には防水ブーツなど七点(同一万百五
十円相当)を盗み、寺井署に逮捕されたベトナム国籍の男(27)への賠償金は四万千八
百円と二十店舗中で最高額となった。男が逃げようとして、従業員数人が男を取り押さえ
、同署の取り調べが深夜に及んだためで、請求金額が膨らんだという。
両店では請求に応じない万引犯には督促状を送付し、二度の督促にも対応しない場合は
内容証明書付き郵便を発送した上で支払いを求めて提訴する方針という。
昨年の万引被害は川北店で約四十件、津幡店で約六十件あり、従来は盗まれた商品の代
金だけを請求していた。新たな対策を講じて以降、常習犯による再犯は確認されておらず
、従業員からも「以前に比べて万引は少なくなったと感じる」との声も聞かれる。警備統
括の粟森宗二郎顧問は「あらためて周知を図り、万引の抑止に一層力を入れたい」と話し
ている。