
昨年まで猛威をふるっていたエチゼンクラゲの漁業被害。今年は確認されていない=昨年9月、志賀町内
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近年日本海で大量発生し、秋冬に漁業に大きな被害を与えているエチゼンクラゲが、今
年は県沿岸で一匹も確認されていないことが九日までに、県水産総合センターのまとめで
分かった。これまで、大量のクラゲによる漁獲量の減少や品質低下に悩まされてきた県内
の漁業関係者らは、ブリの漁期を控え、「久しぶりに安心して漁ができそうだ」と胸をな
で下ろしている。
センターによると、エチゼンクラゲは対馬海流に乗って日本海を北上し、例年は九月末
から十一月末に県沿岸に押し寄せるピークを迎える。二○○二(平成十四)年から被害が
報告され始め、昨年も県内のほぼ全域で連日、網に掛かった。〇六年十月末には輪島沖の
定置網で約一万匹もの大群が確認されたこともあったという。
ところが今年は県沿岸で一匹も確認されていない。全国でも数匹だけで、センターは「
激減した理由は分からないが、今後も県沿岸に押し寄せる可能性は小さい」としている。
七尾市観音崎沖と能登島野崎町沖に定置網を仕掛ける水産会社「鹿渡島定置」(七尾市
)によると、昨秋までは定置網の一度の水揚げで二十―千匹のエチゼンクラゲが入ってい
た。クラゲの毒素で魚が変色し、鮮度が落ちた場合は卸値が半額程度に落ちたこともあり
、酒井秀信社長は「今年はクラゲや台風の被害がなく漁業従事者にはうれしい限り。今冬
の寒ブリ漁も期待できる」と笑顔を見せた。
加賀、輪島市沖でも確認されておらず、県漁協加賀、輪島両支所は「理由は分からない
がありがたい」「まだ楽観視はできない」などと受け止めている。
一方、今秋からエチゼンクラゲを中華料理の食材として加工する新ビジネスを始める予
定だった金沢市の豊中物産は「サンプルすら捕獲できないと聞き驚いている。来期に期待
するしかない」(魏賢任社長)としている。