
光でRNAを捕らえる新しい方法を開発した藤本准教授=北陸先端大
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DNAの遺伝情報を読み取ってたんぱく質をつくるRNAを光で捕まえて長期保存する
世界初の技術を、北陸先端科技大学院大の藤本健造准教授が開発した。体内ですぐに分解
されるため謎の多いRNAを保存することで、あらゆる生命現象や、遺伝子がかかわるが
んなどの診断に役立つという。藤本准教授は三日までに特許を出願し、大手メーカーが診
断装置の実用化に乗り出した。
DNAを生命の設計図とすると、そのコピー版がRNAである。原本のDNAは傷つか
ないよう大切に保管されているため、実際に生き物を形作り、生命機能を維持するのに必
要なたんぱく質はRNAの情報に基づいてつくられる。
RNAの複雑な機能を知るには細胞内から調べたいRNAを取り出して解析する必要が
あるが、不安定な構造のため、情報通りにたんぱく質が作られるとRNAはすぐに分解さ
れてしまう。早いものでは数分で消え、その機能を確かめるのは非常に困難だった。
藤本准教授は、ある波長の光に反応してRNAと結び付く物質を開発。溶液にRNAと
その物質を入れて光を当てる「光クロスリンク反応」によって、RNAを二本鎖の安定し
た形で捕らえることに世界で初めて成功した。
このRNAは冷凍や加熱にも強く、数週間以上の保存に耐えうるため、実用化されれば
解析が飛躍的に進むと予想される。今後は大手メーカーと光RNA解析装置の共同開発を
進める予定で、藤本准教授は「すべての生命現象の鍵を握るRNAが解析できれば、見逃
していた病気の発生メカニズムなども明らかになる」とさらなる研究に意欲を燃やしてい
る。