
桑島化石壁で見つかった世界最古の草食トカゲの化石。右上のあごの部分となる(白山市教委提供、白峰化石調査センター所蔵)
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白山市桑島の桑島化石壁で十三日までに、世界最古の草食トカゲの化石が見つかった。
約一億三千万年前、白亜紀前期の層で十一点が確認され、十四日発行の古生物学会誌で新
種と認定される。学名は産出地にちなんで「加賀の桑島の小さな乙女」を意味する「クワ
ジマーラ・カガエンシス」に決まった。 白山市桑島の桑島化石壁で見つかった世界最古
の草食トカゲ「クワジマーラ・カガエンシス」は、葉を食べるため進化した独特の形状の
歯が、新種認定の決め手となった。石川県庁で会見した桑島化石壁産出化石調査協議会に
よると、草食のトカゲは現生種でも希少で、今回の発見により、桑島一帯では白亜紀に出
現した被子植物が、いち早く広がっていた可能性も出てきたという。桑島化石壁での新種
認定は三例目で、クワジマーラは古代の生態系や植生をひもとく契機になると期待を寄せ
ている。
化石は二〇〇一(平成十三)年に掘削したトンネルの岩石から見つかり、あごの骨や歯
が中心となる。これまで最古とされていたのは、北米で見つかった白亜紀中ごろ(約九千
九百六十万年前)のディコソドンで、最古の記録がおよそ三千万年さかのぼることになる
。
クワジマーラの化石は上下の歯とも、肉食に適したナイフ状でなく、食物繊維を砕くの
に適した平たい槍(やり)の先のような形状で、ギザギザ状の縁を持つ。歯が特殊化した
一方、骨格は柔軟性に乏しい原始的な構造で、これらの特徴が新種認定の根拠になった。
クワジマーラの推定全長は約二五―三〇センチ。半分程度は尾で、頭部は二センチ程度
とみられる。胃の内容物の化石がなく、食べていた植物は特定できていない。
調査に当たった真鍋真・国立科学博物館研究主幹は「特殊な歯の形状から、シダ植物だ
けでなく栄養価の高い被子植物が白亜紀前期の段階で現われていた可能性があり、当時の
森の環境変化を探るヒントになる発見」とみている。桑島化石壁から被子植物の化石は見
つかっていないが、未調査の岩石がまだ六十―七十立方メートル分あり、見つかればクワ
ジマーラと同様に世界最古となる。
研究の成果は、世界的権威を持つ古生物学会誌「パレオントロジー」に掲載される。化
石は白山恐竜パーク白峰で、早ければ大型連休に公開される見通しだ。