
人形を患者に見立てて行われた脳死下における臓器移植の模擬訓練=金大附属病院
|
金大附属病院で三十一日、脳死下における臓器移植の模擬訓練が行われ、医師や看護師
ら約二十人が患者受け入れから臓器摘出までの流れを確認した。過去の脳死判定に用いた
脳波検査記録を紛失した問題の反省から、院内マニュアルに新たに盛り込んだ「臓器移植
対策本部」を立ち上げた。同病院は今後、さらに検討を加えた内容を厚生労働省に報告し
、記録紛失を受けて自粛している脳死判定の早期再開を目指す。
同病院が模擬訓練を行うのは、一九九九(平成十一)年七月に続き二回目。昨年三月に
実施する予定だったが、二〇〇六年五月に院内で行った脳死判定記録の紛失を受け、延期
されていた。
訓練は男性患者が救急搬送中に心停止し、集中治療部で脳死と診断されたとの想定で行
われ、富田勝郎病院長を委員長とする院内脳死判定委員会のメンバーや医師、看護師、検
査技師が参加した。
改訂された院内マニュアルに基づき、脳死患者の臓器提供意思表示カード所持が確認さ
れ、県移植コーディネーターの説明により患者家族が臓器提供を承諾した後、院内には並
木幹夫教授を本部長とする臓器移植対策本部が設置された。
〇六年五月に実施した脳死下での臓器摘出手術や、その後のデータ紛失を検証した結果
、脳死判定から臓器摘出までの各段階で責任の所在が明確になっていなかったため、対策
本部が実務責任者を決めた。
移植作業がすべて終了した後、脳死データ紛失の再発防止策として、富田委員長と並木
本部長、実務責任者が同病院の総務課長に全検査データを手渡し、保管庫での保管を命じ
るという新たな手順も確認された。
訓練を見学した日本臓器移植ネットワーク中日本支部の朝居朋子主席コーディネーター
代理は「前回の臓器移植手術とデータ紛失に伴う問題点が改善されていたと思う」と評価
した。見学した看護師らからは「臓器摘出が完了した患者の担当責任者は誰になるのか」
などさらなる改善点が指摘され、富田病院長は「指摘をもとにマニュアルに検討を加え、
脳死移植受け入れの準備を整えたい」と話した。