
ドレスのラインを取り入れた男性用スーツを試作する中島さん(右)=白山市千代野西8丁目
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白山市出身でベルギー在住の服飾デザイナー中島輝道(てるまさ)さん(26)は、県
産繊維を使い、雪づりなど石川の風物を題材にした男性服をフランス・イエール国際モー
ドフェスティバルに出品し、書類選考を通過した。最終選考を通った出品者には世界の流
行をリードするパリコレクションへの参加資格と準備金が与えられる。年末に帰国した中
島さんは、朗報を心待ちにしながら創作に打ち込んでいる。
イエール国際モードフェスティバルは世界的に権威のある新人デザイナーの登竜門で、
中島さんは「霧の造園師」をテーマとした男性用のコートやジャケット八点を出品した。
小松精練(能美市)から提供を受けたオーガンディーを生かし、雪づりの規則的な線の美
しさをステッチなどで取り入れた。
自然を重んじる日本の精神性を軸にした八点は、「従来の男性服にはない軽やかで中性
的な魅力にあふれている」と評価され、三千点を超す応募作の中から一月中旬に行われる
最終選考へと進んだ。
中島さんは玉川大でインテリアデザインを学んだ後、国際的なデザイナーを輩出するベ
ルギーのアントワープ王立芸術アカデミーに入学。パリコレクションでアルマーニなどの
ショーにデザインアシスタントとして参加したほか、小松精練の支援を受け県産繊維の魅
力を生かした服をデザインしている。先月、東京で開かれた繊維総合見本市でも同社の新
製品を仕立てたジャケットで注目を集めた。
小松精練では、同社が開発したイルカの皮のような手触りの繊維で中島さんが作ったジ
ャケットを、二月からイタリア・ミラノの同社ショールームに展示する予定。津田外己男
(とみお)商品企画開発部長は「石川の繊維の知識を中島さんに提供し、日本のファッシ
ョンを世界へ打ち出そうという意気込みを応援したい」と県人デザイナーの活躍に期待を
寄せている。
中島さんは、石川の繊維は色だけではなく質感も追究しており、ヨーロッパの生地には
ない魅力があると指摘。「強さばかり強調される傾向がある男性服に、石川の繊維を使っ
て心を包むような優しさを提案したい」と意気込み、わずかな古里滞在の間にも女性服の
要素を取り入れた男性服を試作し、朗報が届いた時の準備に追われている。