七尾市能登島沖の七尾北湾で今夏以降、熱帯や亜熱帯の暖水域に生息するフグの一種、
ハリセンボンが相次いで確認されている。のとじま臨海公園水族館によると、同湾まで流
れつくのは初めてという。大量発生している可能性が高く、漁業関係者は、魚が傷むなど
ハリセンボンによる漁業被害に警戒を強めている。
ハリセンボンは南シナ海や東シナ海で生息し、夏ごろから一部が対馬暖流に乗って能登
近海へ北上する。水温が一五度前後になると衰弱するため、冬季に外浦の海岸などで無数
の死体が打ち上げられている。
これまでは外浦を中心に能登近海などの沿岸に漂着していたが、今年は内浦の七尾北湾
でも確認されるようになった。能登島曲町では堤防から海面に集まったハリセンボン数十
匹を目視できる。能登島F目町沖では今月に入ってから毎日、数十匹が定置網に掛かって
いるという。
同水族館では、今年は海水温が比較的高めに推移し、天敵の大型魚が減ったことなどで
、生き残ったハリセンボンが七尾北湾へ流入したのではないかとみている。
能登島沖などで定置網を仕掛ける鹿渡島定置(七尾市)によると、体長約十センチのハ
リセンボンはほかの魚と分別しにくく、漁師が魚類の選別時にハリセンボンのとげでけが
を負う恐れもあり、エチゼンクラゲより厄介な存在という。
これから本格化するブリ漁など定置網漁への影響を懸念する声も出始めており、酒井秀
信社長は「ブリは色、つや、形が価格に響くため、ハリセンボンによる被害が不安だ」と
話した。