
がんに効果があるとされる「アガリクス」の臨床試験を国内で初めて実施する大野特任准教授=金大
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金大大学院医学系研究科臨床研究開発補完代替医療学講座の大野智特任准教授は今月下
旬から、がんに効くとされる健康食品アガリクスについて、公的研究費を用いた臨床試験
を国内で初めて開始する。キノコの一種アガリクスはがん患者の利用頻度が高いが、がん
の予防・治療効果を科学的に証明した報告は今までほとんどなく、この臨床試験でアガリ
クスの安全性や抗がん作用の効能が明らかになると期待される。
臨床試験は、厚生労働省がん研究助成金「がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関
する研究」の一環で、金大附属病院と四国がんセンター(愛媛県)との共同研究として行
われる。
がんと診断され、治療を終えて経過観察中の人を対象に、患者を三グループに分け、動
物実験などで安全性が確認されている市販のアガリクス製品を一日一包(一・八グラム)
から三包、六カ月間摂取し続けてもらう。二カ月ごとに採血し、肝臓や腎臓への副作用お
よび免疫機能や生活状況への影響を調べる。
この試験で人に対するアガリクス製品の安全性が確認できれば、がんへの有効性を調べ
る次段階の試験へ進む予定である。
国内では多くのがん患者がアガリクスやプロポリスといった健康食品を利用している。
厚労省研究班が二〇〇五年に発表した調査結果では、健康食品や栄養補助食品のサプリメ
ント、漢方、鍼灸などの補完代替医療を利用しているがん患者は全体の45%に上り、そ
のうち約六割はアガリクス製品を摂取していた。
医療関係者によると、患者の多くは健康食品にがんの進行抑制効果を期待して利用して
いるが、臨床データがないため、がんに対する正確な効果などは分からないのが実情とい
う。
大野特任准教授は国内初の臨床試験について「アガリクスの正確な情報が少ない現状で
安全性や有効性を確かめることは非常に有意義だ」と話し、試験に参加する患者約九十人
を募集している。問い合わせは金大大学院医学系研究科臨床研究開発補完代替医療学講座
=076(265)2147=まで。
アガリクス ハラタケ科に属するブラジル原産のキノコで、和名はカワリハラタケ。日
本では人工栽培されている。1980年代にがん抑制作用が動物実験などで報告されてか
ら、人での抗がん効果に期待が寄せられ、キノコの全体や一部を原料にした粉末や顆粒、
錠剤などの製品が「抗がん作用がある」「免疫力を高める」などとされて健康食品として
販売されている。