
修復された厨子に見入る氏子=野々市町三納の日下日吉神社
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野々市町三納の日下日吉(くさかひよし)神社にある町指定文化財の本殿の厨子(ずし
)が初めて全面修復された。明治の神仏分離政策で神仏習合の厨子の多くは廃棄され、現
存している例は非常に珍しいとされる。氏子らは色鮮やかに彩色されて輝きを取り戻した
厨子に感慨を深くしている。
町教委などによると、安置されている御神体「山王権現神像」が一七五一(宝暦元)年
の作であることから、厨子も同時期に作られたとされている。同神社では、ほぼ元の姿の
まま残っていた。
厨子は幅六十六センチ、高さ八十八センチで、門扉に龍や鳳凰、唐獅子などが描かれて
いるほか、下には高さ約一メートルの須弥壇(しゅみだん)が付いている。また、門扉に
は神道の狛犬(こまいぬ)を意味する獅子頭が描かれ、屋根の下には仏教の宝珠が彫刻し
てあり、神仏習合の特徴をうかがわせている。長年、同神社に置かれていた厨子は、経年
による劣化や虫食いなどが目立っていたことから、六月上旬に氏子らが修復費約三百万円
を出し合って兵庫県尼崎市の仏壇業者に依頼した。漆や色あせた部分の塗り直し、虫食い
個所の保全など、門扉と両側面に描かれている絵以外を全面的に修復した。
同神社氏子総代の山田清司さん(70)は「見違えるほどきれいになった。滅多にない
修復の機会に携われて幸運だ」と話している。
同神社では、修復を記念して八日から三日間、同厨子を一般公開する。