
砂浜が延び、海浜植物が広がっている現在の増穂浦=2007年7月3日、北國新聞社ヘリ「あすなろ」から
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サクラ貝が打ち寄せる浜として知られる志賀町の増穂浦がこの十年間で、約五十メート
ルから百メートルと、幅が二倍近く広がったことが地元関係者の計測で明らかになった。
これまで住民の間で話題になっていたが、金大の研究者が九日までに現地調査した結果、
富来漁港から延びる防波堤により潮流が変化した影響とみられることが分かった。能登外
浦では千里浜などで浸食が進み、浜辺の消失が懸念される中、地元の富来商工会青年部は
今月二十九日に「雪のない雪合戦」を企画するなど広がる砂浜を歓迎している。
増穂浦は富来川から酒見川の間にカーブを描きながら伸びる砂浜で、延長約四キロ。
砂浜が広がっているのは北側の酒見川に近い部分で、キャンプ場と海水浴場を管理する
能登リゾートエリア増穂浦によると、沖に固定した海水浴用のブイの位置から近年は一年
に数メートル程度、砂浜が沖へ延び、海浜植物も広がっている。
増穂浦の変化を表したデータは町や県、国にもなく、十二日の海開きを前に、同施設が
初めて浜の幅を計ったところ、キャンプ場の位置からは百四メートルあることが分かった
。約十年前は五十メートルほどだったとみられる。
海岸工学を専門とする金大大学院自然科学研究科の石田啓教授が現地で調査したところ
、浜に近い富来漁港の防波堤が影響していることが分かった。この防波堤は海岸から三百
五十メートル突き出し、さらに直角に三百メートルほど陸地と平行する「L字」に延びて
いる。
工事は一九九五(平成七)年から始まり、徐々にその長さを伸ばしており、住民も工事
が始まった二、三年後から砂浜の広がりを指摘し始めていた。石田教授は「人工の構造物
ができたことで増穂浦一帯の潮の流れが変わり、砂が南側から北へ運ばれ、防波堤に近い
ところに堆積しているようだ」と指摘する。
石田教授によると、浸食が著しい石川県の外浦にあって、砂浜の広がりが見られるのは
金沢港大浜埋立地の防砂堤の影響を受けている内灘海岸がある。
能登リゾートエリア増穂浦の戸野秀信所長は「増穂浦はきれいな水と広い砂浜を特長と
しており、広がる砂浜は大歓迎」と受け止めている。