
造成工事の入札で最低価格が調査基準価格を下回り、落札決定が保留となった粟崎地区工業用地の予定地=北國新聞社ヘリ「あすなろ」から
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今年度以降、金沢市が発注する工事の入札で、安値の応札が相次いでいる。「低入札価
格調査制度」が適用される予定価格四千万円以上の工事では、四月以降に入札が実施され
た十八件のうち十三件で応札額が低すぎたため市が審査に当たり、落札決定が保留となっ
た。市とすれば、落札額が下がればその分、貴重な財源が浮くことになるが、叩き合いで
何とか仕事を確保しようとする業者側の事情も浮き彫りとなっている。
低入札価格調査制度では、各工事ごとに設定される調査基準価格を応札額が下回った場
合、市が本当にこの価格で施工できるかどうかを審査する仕組みとなっている。昨年度、
低入札価格調査制度が適用される市発注工事で落札決定が保留されたのは十九件。今年度
は三カ月間で早くも十三件を数え、昨年度を大幅に上回るペースだ。
五月九日に入札が締め切られた粟崎地区工業用地造成工事では、「応札した業者の多く
が調査基準価格以下の価格で札を入れた」(市監理課)ことから、市が審査を実施し、同
二十三日に「日豊・ジオスJV」を落札者と決めた。落札額は一億八千百八十万円で、予
定価格の二億九千三百万円に対して62%の水準となり、一億一千万円余安くなった勘定
である。
五月二十二日締め切りの四件と、六月五日締め切りの「十一屋小校舎改良工事(4期)
」はいずれも、調査基準価格を超える応札額で速やかに落札者が決定した。しかし、六月
十八日締め切りの三件と六月二十一日締め切りの区画整理事業関連工事九件はいずれも落
札決定が保留された。
保留となった場合、市はおおむね入札から二週間程度で落札業者を決定することにして
おり、いずれも工事の進ちょくには影響がないとしている。
二日の金沢市議会総務常任委員会では、粟森慨委員(市民)が六月二十一日の九件すべ
てが保留となったことについて市側の見解を求めた。これに対し、南善史総務局担当部長
・監理課長は今年度から制約付き一般競争入札の対象工事を拡大したことを挙げ「競争性
が高まったことも一因ではないか」との見方を示した。
市側は年度初めで発注自体が少ないことに加え、暖冬の影響で昨年度から繰り越しとな
った工事が少ないこともあり、業者側の手持ち工事が少なく、仕事の奪い合いに拍車を掛
けている可能性を指摘している。
「今後も低価格の応札が続くかどうかは分からない」(監理課)としているが、市側の
予定価格の設定が「そもそも高すぎる側面はないのか」(若手市議の一人)との声も出て
いる。
●低入札価格制度 最低制限価格をなくし、安い応札額でも発注者が施工可能と判断すれ
ば契約できる仕組み。金沢市は今年度から適用する工事を「予定価格5000万円以上」
から「4000万円以上」に拡大した。予定価格の85%から3分の2の範囲で設定され
る調査基準価格を下回った場合に二段階方式の審査を行う。第一次審査では「直接工事費
が市の設計金額の70%以上」など4つの数値基準を満たす必要があり、第二次審査は聞
き取りとなる。