輪島市は来月、能登半島地震で自宅全壊などの被害を受けた仮設住宅に入居する約二百
五十世帯を対象に、住宅再建に関する意向調査を実施する。調査結果をもとに、自力再建
が困難な高齢者らには、国の「小規模住宅地区等改良事業」を適用し、更地となった自宅
跡地に一戸建ての公営住宅を建てる「輪島方式」も検討する。七月中にも策定する建設計
画に反映させ、コミュニティーや街並みの維持に努める。
三月二十五日の地震発生から二カ月を経て、仮設住宅の住民からあらためて自力再建や
公営住宅の入居希望などについて聞き、公営住宅の必要戸数や建設形態を決める方針であ
る。
市は、集合住宅が原則となっている災害復興住宅のほかに、同じ国の補助が受けられる
「小規模住宅地区等改良事業」を適用することで、住民が長年住み慣れた土地で戸建ての
公営住宅に住むことも選択肢の一つに加える。その際、市は住民から無償で土地を借り、
住宅を建てて賃貸する。居住者は十年後をめどに住宅を買い取ることもできる。
同事業は、二〇〇五年の福岡県西方沖地震の際、災害復興では全国で初めて活用された
。被災で「不良」と判定された住宅が地区内の50%以上で十五戸以上となることが条件
。通常は道路や共同住宅などを合わせた面的な整備に用いられるため「歯が抜けたように
点在する更地を戸建てで埋めるのは、全国的にも珍しいケースとなる」(輪島市)という
。
市が借地料を負担して家賃と相殺し、住民の負担を低減する案については、市は「地代
が高ければ、ただ同然の家賃となり、自力再建を目指す住民の意欲をそぎかねない」とし
て、慎重な姿勢を示している。
市は、地域住民の思いをくみながら、福祉対応型の集合住宅や空き家の改修なども検討
しており、「あくまで自力再建が望ましいが、最後のセーフティーネットとして選択肢を
広げ、被災者の不安解消に努めたい」としている。