金大大学院自然科学研究科の秋田純一講師(集積回路工学、写真)グループが、人間の
眼球の動きを撮影し、視野映像と組み合わせて何を見ているかを判断できるチップ型カメ
ラを考案し、特許を出願した。従来のアイカメラに比べ超小型で安価な上、高速で高解像
度の画像処理が可能になった。パソコン画面上で、マウスの代わりに目線でカーソルを操
作するシステムなどに活用が期待される。
考案したカメラは、撮像回路と画像処理回路を積んだ約一センチ角のチップにレンズを
付けるだけでよく、携帯電話用カメラほどの大きさになる。眼鏡のつるなど、どこにでも
取り付けられる。
従来、自動車教習のドライブシミュレーターなどに使われていた視線検出装置は、撮影
用のカメラと画像処理用のパソコンをケーブルでつなぐため処理速度が遅く、大がかりで
高価だった。
また、これまでカメラに画像処理機能を持たせようとすると解像度が一万画素ほどに下
がり、細かな画像は見えなくなるという欠点があり、実用化されていなかった。
秋田講師らは独自の画像処理回路を設計してこの欠点を解消。シミュレーションの結果
、三十万画素以上の高解像度で一秒間に五百枚を撮影することが可能と分かったという。
高速処理・高解像度の特長を生かして、車道の白線や障害物を検出する車載システムに
も応用が考えられる。秋田講師は「リアルタイムで動く視線は有用な情報入力手段だが、
計測が難しかった。どこにでも取り付けられるほど小さく、高速処理が可能なカメラなら
、画像処理全般の幅広い分野に応用が可能になる」と話した。