河北潟への農業排水の流出を防ぐため、県県央農林総合事務所津幡事務所は来年度、同
潟周辺で環境保全型農業の推進に本腰を入れる。モデル地域に指定したかほく市内日角の
水田では、農家が農業排水に溶け込む有機物を減らす肥料を使い、水田の排水口をせき止
めて汚れた農業排水の流出を抑制する試行を進めており、同事務所は効果を見極めた上で
、環境に優しい農業の普及を図る。
閉鎖性水域の水質浄化を図るため、県が今年度から木場潟と七尾湾と並び、河北潟周辺
の水田約三十ヘクタールで同潟へ農業排水の流出を抑制する取り組みを始めた。
同事務所によると、河北潟周辺ではこれまで、田植え前に土壌を整える代かき作業の時
期や稲刈り後は、有機物で濁った農業排水が水田から垂れ流しされるケースが多かったが
、水田の排水口を縦約十センチ、横約四十センチの板を利用してせき止め、水田内でろ過
させて同潟へ直接排水しないようにした。さらに汚濁水を抑制するため、有機物やリンな
どを減らせる「緩効性肥料」も使用した。
県によると、河北潟の化学的酸素要求量(COD)値は8・2で、県の環境基準値(5
・0)を上回る。水質の悪化は生活雑排水の流入が要因とされるが、同事務所は農業排水
も水質汚濁の一因になっているとして、農業排水の流入を防ぎ、同潟の環境保全を徹底さ
せることにした。
同事務所は年度内に同潟のCODの変化を調査する予定で、来年度にはモデル地域を広
げ、本格的に「環境保全型」農業を推進する考えである。