石川県漁業協同組合(石川県漁協)は、県近海で獲れた魚を中国に輸出する事業に乗り
出した。中国では経済発展の波に乗り近年、急速に魚の消費量が増大している。第一弾と
して志賀町富来漁港で三十、一日に水揚げされたサワラの幼魚サゴシ約六十トンを荷受先
の京都府漁連(京都府舞鶴市)に出荷した。県漁協では今後、「魚食ブーム」が広がる中
国で販路を開拓したい考えだ。
県漁協とぎ支所がある富来漁港周辺の定置網では先月下旬からサゴシの豊漁が続いてい
る。ここ一週間の漁獲高は約百五十トンに上るが、ほとんどが体長五〇センチ以下で市場
での商品価値は低く、”豊漁貧乏”の状態が続いていた。
今回の中国向けの出荷は、県漁協がサゴシを求めていた京都府漁連のことを知り、とぎ
支所のサゴシを回すことで急きょ話がまとまった。
県漁協によると、海の魚の需要が高まっている中国に向けた輸出は北海道や福岡、長崎
などでも始まっているという。同支所長でもある県漁協の高岩権治副組合長は「本来なら
直に輸出をやりたいが、当面はこれらの漁連と連絡を取り合うなどしていきたい。日本海
側では中国が今後の有力な市場になる」と話している。
関係者によると、中国ではこれまで、海の魚を食べるのは上海をはじめ沿海部の富裕層
に限られていたが、経済成長に伴い、内陸部の人も口にするようになった。さらに魚を加
工しての輸出も盛んなこともあり、高級魚から大衆魚まで、世界の魚が中国に集中する傾
向にあるという。