金沢市の自然環境保全区域に指定されている同市平栗の「平栗いこいの森」で今月中旬
以降、生息するカブトムシをごっそり採集していく例が目立っている。自主的に見回る住
民らによると、複数で訪れた大人が百匹近くを採集した例が確認され、まだまだ熱い昆虫
ブームを背景に、換金するのが主な目的らしい。秋から春の間に土の中の幼虫を掘り返し
た跡も見つかった。いこいの森を管理する市は採集を禁止する看板を設置したが罰則はな
く「良心に訴えるしかない」としている。
市によると、森の中には伐採された枯れ木のチップを土に返すために積んである場所が
あり、カブトムシの格好の産卵場所になっているという。「カブトムシが採れる場所」と
して目を付けられ、深夜や早朝に車で乗り付けて成虫や幼虫を大量に採集する例が増えた
とみられる。白山市の県ふれあい昆虫館によると、県内にはカブトムシとコカブトムシの
二種が生息しているという。
付近のパトロールを続けてきた平栗出身の自営業高川武士(63)さんは「数年前から
、大量採集の場面を頻繁に見掛けるようになった」と憤る。段ボール箱いっぱいに成虫を
詰め込んだ大人三人組や、注意されて「売るつもりだった」と認めた人もいたという。秋
から春にはあちこち掘り返され、付近は穴だらけの状態だという。
ここ数年、クワガタやカブトムシが主人公のゲームが人気を集めた影響もあり、市内の
ホームセンターでは、約二年前からカブトムシの販売数が伸びた。同店で扱うカブトムシ
は北海道の養殖物で店頭価格は雄一匹五百円程度、県内産はそれよりも割高になるという
。一般的なカブトムシの単価はブーム以前とあまり変わらないが、五万円する外国産の珍
種もよく売れるようになったという。
高川さんの指摘を受けた金沢市が五月末、動植物や昆虫の採取を禁じる看板を設置した
。いこいの森を管理する農林基盤整備課は、子どもが観察用に一、二匹採っていくことは
問題ないとするが、「度を過ぎて大量に採集する行為はやめてほしい」としている。