2006年5月30日更新
世界初、光で遺伝子操作 体質診断、感度1000倍 北陸先端大・藤本助教授が技術

 光を当てるだけでDNAを切ったり、つないだりできる遺伝子操作の技術を、北陸先端 科技大学院大の藤本健造助教授(化学生物学)が世界で初めて開発した。DNAの取り扱 いはこれまで、酵素による不安定な化学反応に頼るしかなかったが、光ならば、手元のス イッチでDNAを簡単、着実に操作できるようになるため、遺伝子診断の感度を最大で約 千倍まで高めることに成功した。

 病気のかかりやすさや薬の効きやすさなど、一人一人の遺伝的体質が一度に分かるDN Aチップが注目されている。DNAチップは効率的な遺伝子診断の方法である一方、測定 には温度を厳密に調整しながら酵素を反応させる必要があり、操作が煩雑で、信頼性や感 度の点でも課題があった。

 藤本助教授は、特定の光で連結するDNAをチップ上に並べておき、測定する際に光を 当てて反応させることで、酵素を使うよりも、素早く正確に遺伝子の有無を測定できるよ うにした。がん抑制遺伝子の検出について実験したところ、最低約十倍、最大では約千倍 、平均約百倍の感度を達成できた。

 光による遺伝子操作は藤本助教授が独自に開発した技術。紫外線でDNAに傷が付いて 皮膚がんになるメカニズムに着目し、特定の波長の光が当たると連結するDNAを作り出 した。その後の研究で、このDNAは別の波長の光を当てると切断されることも分かった 。

 藤本助教授は「DNAチップは応用例のほんの一部。遺伝子治療やDNAコンピュータ ーなどへの応用も考えられる」と述べており、純国産の遺伝子解析装置の開発につなげた い考えである。




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