今日の社説

2018/07/22 00:51

熱中症の危険 命に関わる暑さの認識を

 猛烈な暑さが続いている。この暑さは当分、収束する見通しがない。新潟地方気象台は北陸を対象に異常天候早期警戒情報を発表した。24日ごろから約1週間は気温が平年より、かなり高くなるとして、健康管理に注意するよう呼び掛けている。

 今後も厳しい暑さが続くと、熱中症の危険は高まる一方である。連日の猛暑で熱中症患者が増えており、石川、富山両県でも救急搬送が続出している。熱中症は重くなると生命に危険が及ぶ恐れがあり、予防を徹底してほしい。

 最近の気象は想定外の被害を起こしている。連日の暑さについても、命に関わる異常な事態と認識する必要があるのではないか。

 暑い日が続いて、疲れがたまっている人も多いだろう。猛暑の屋外で、根を詰めて作業したり、活動を続けたりすれば、命を危険にさらしかねない。

 石川、富山両県で学校や団体が屋外活動の中止に動いているのは適切な対応である。高温に注意、警戒を呼び掛ける情報が出たら、これまでの経験にとらわれずに身を守る行動を最優先にしたい。

 今年は熱中症で死亡する人が多く、富山県でも1人が亡くなった。愛知県豊田市では小学1年の男児が校外学習から戻った教室で意識を失い、病院で死亡した。学校側は「判断が甘かった」との認識を示したという。引率した教師は命を奪うほど危ない暑さとは考えていなかったのだろう。

 熱中症は暑さによって体内の水分や塩分のバランスが崩れることで生じる。体温の調節ができなくなって重症化すると死に至る恐れが出てくる。会話が成り立たない、真っすぐ歩けない、といった状態であれば、周囲の人が救急車を呼んでほしい。

 室内も安心はできない。建物の中で熱中症になって救急搬送される人は多い。日中に屋外で活動した後、夜に自宅で発症することもあるという。夜間も気温が下がらないため、こまめに室温を調整し、水分を補給する必要がある。

 高齢者は水分不足を自覚できずに症状が重くなる恐れもある。湿度や地面から放出される熱にも注意を要する。危機感を持って猛暑を乗り切りたい。

カジノ法成立 「もてなし力」が試される

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法案が可決、成立した。カジノは既に世界約140カ国に開設されている。大阪や横浜などに巨大なIR施設ができれば、国内外から観光客が集まり、雇用を含めて大きな経済効果が期待できるだろう。

 たとえばシンガポールのIR「マリーナ・ベイ・サンズ」の場合、年間売り上げは3000億円を超える。約1万人が雇用され、男女の雇用比率はほぼ半々という。IRは女性の活躍が不可欠な施設であり、「女性が輝く社会」を成長戦略の柱とするアベノミクスの方向性とも合致する。

 法案の成立により、カジノが賭博罪の適用対象から除外されることで、カジノ施設にばかり目が向けられているが、IRは国際会議場や国際展示場、劇場、スポーツ施設、アミューズメントパークなどが一体となった複合型施設であり、カジノはIR施設全体の3%以下に制限される。

 IR施設が成功するかどうかは、国際会議や国際見本市をどの程度誘致できるか、カジノでVIP待遇を受けるような富裕層を引きつけられるかに大きく左右される。国際水準の施設とともに、リピーターを増やすサービスの質が問われる。日本が誇る「もてなし」の力が試される場となろう。

 IR施設の設置場所は当面3カ所が上限となり、ギャンブル依存症対策として、日本人と国内在住の外国人から入場料6000円を徴収する。カジノ入場回数は週3回、月10回までに制限される。

 立憲民主など野党6党派はカジノ解禁時のギャンブル依存症対策が不十分と反対し、「大雨災害対応の陰でIR法案の審議を強行した」などとして内閣不信任案を提出した。

 だが、日本はカジノとは無関係に、既に320万人ものギャンブル依存症患者を抱えているとされる。全国各地にある1万店舗を超えるパチンコホールの影響が大きいのは誰の目にも明らかだろう。

 ギャンブル依存症問題に正面から取り組むなら、パチンコや競馬、競輪などの公営競技を含めた包括的な対策が必要ではないか。