きょうの社説 2012年2月4日

◎インフルエンザ流行 感染したら外出を控えよう
 寒波の襲来とともに、インフルエンザが猛威を振るっている。1月23―29日の週は 、患者数が前週の1・6倍に増え、石川県をはじめ全国42都道府県で警報レベルを超えた。

 特に福井県は、定点医療機関あたり平均74・88人と患者数が全国で一番多く、石川 県も47・42人と全国8位に付けている。富山県は今のところ全国平均を下回っているが、油断は禁物である。

 医療機関を受診したインフルエンザの患者数は、既に約173万人に上ると見られ、1 月末の数字としては過去10年で3番目に多い。インフルエンザのピークは1月末から2月上旬とされるが、今季は流行が遅れがちだったことから、ピークが長引く可能性がある。少なくとも3月いっぱいまで注意が必要だろう。

 インフルエンザは、感染者がせき、くしゃみとともに放出したウイルスを吸い込んで感 染する。感染したら周囲にうつさない配慮が極めて重要であり、無理して学校や職場に行くのは、やめるべきだ。マスクを着け、通院以外は極力外出を控えるようにしたい。

 感染者から放出されるウイルス量は、1回のせきで約5万個、1回のくしゃみで約10 万個といわれる。狭い室内で、せきやくしゃみをすれば、空気中に大量のウイルスがばらまかれることになり、感染者をさらに増やしてしまう。インフルエンザの兆候が見られたら、自分のためにも、家族や同僚、同級生のためにも治療に専念してほしい。

 今季は「A香港型」が5年ぶりに流行し、感染者の9割を占めている。A型はB型より 遺伝子構造が複雑で、感染力が高い。急に38度以上の熱が出て、肺炎を併発するなど重症化しやすいという。

 特に高齢者の場合は症状が出にくく、あっという間に肺炎を併発するケースがある。ま た、抵抗力の弱い子どもは中耳炎や気管支炎などの合併症を起こしやすい。

 一般的に風邪の症状は軽く、進行はゆっくりだが、インフルエンザは急に高熱を発する など、突発性があり、進行が早い。インフルエンザと風邪は似ているようで、まったく別ものと考え、甘く見ないようにしたい。

◎鉄路維持へ税投入 支援無駄にしない努力を
 北陸鉄道石川線、浅野川線の沿線4市町が赤字続きの両線の設備更新に対して財政支援 する。国、石川県とともに金沢、白山、野々市各市と内灘町が施設の修繕費を分担するのは、公共交通の維持と安全確保のために、やむを得ない選択であろう。

 石川県と4市町の負担金拠出は北陸鉄道が両線を存続させることが前提である。これま で北鉄は鉄道経営の厳しさを訴える方が先に立ち、自ら積極的に収支を改善しようとする意欲に乏しかったように思える。4市町の負担を機に、北鉄は今度こそ受け身の姿勢から脱却し、地域に分け入って乗客を増やす努力をしてほしい。

 2012年度に国の補助対象となる設備更新は総額で4億4千万円が予定され、国と石 川県、4市町が3分の1ずつ負担する。11年度は北鉄が3分の1を支出したが、12年度は北鉄の分を4市町が肩代わりする形となる。

 石川、浅野川両線は8期連続の赤字で、前期は9100万円の営業損失を出した。昨年 末に北鉄の加藤敏彦社長が県や4市町の首長に窮状を訴えて財政支援が固まったが、それまで北鉄は自治体との意思疎通が十分と言えず、負担の足並みがそろうまでに時間がかかることになった。北鉄の中に、乗客減少は時代の流れで致し方ないという空気があるとは思わないが、自治体からは「北鉄の努力が見えない」との不満も出ていた。

 富山市や富山地方鉄道が次世代型路面電車(LRT)の導入や市内電車の環状線化で公 共交通に活力を出した例を見ると、石川、浅野川両線にも再生の可能性はある。利用者を増やすには、まず社員が一丸となって汗をかき、増収の知恵を出すことでないか。

 鉄道はいったん運行を止めると復活は困難になる。今後、高齢人口が増えることを考え れば、石川、浅野川両線は存続させたい交通基盤であるが、北鉄自身が主体的に動かないと、自治体の負担に対する住民の理解は広がらない。財政支援の成果が出るかどうかは、新幹線開業後の並行在来線や枝線をいかに地域で支えるかという問題にもかかわってくる。