一リットル当たり百七十円台に上昇したガソリン価格の高騰が、郊外に立地する飲食、
物販店の集客に影響を及ぼしている。今月に入ってから、消費者の財布のひもが一段と固
くなり、車の乗り控えで郊外店の客足が鈍り始めた。多店舗展開する飲食店経営者からは
「郊外に絞った拡大路線を見直す可能性がある」という声も上がり、各社の出店戦略にも
影響が出そうだ。
「客足が落ちた実感がある」。石川、富山で回転ずし「すし食いねぇ!」を展開するド
マックス(白山市)の堂間勉社長は、車で来店する家族連れが減ってきたと指摘する。
白山市の国道8号沿いに立地する旗艦店の松任本店は六月に入り、売り上げ、来店客数
ともに対前年同月比2―3%の減少となった。灯油価格が上昇した昨年十二月も光熱費上
昇で消費者が出費を抑えたためか、一時的に客足の落ち込みがみられという。堂間社長は
「今回も状況になれてくれば、客足は回復するだろうが、どのくらい時間がかかるかが問
題だ」と腕を組む。
チャンピオンカレー(石川県野々市町)も「郊外店で客足が伸び悩んでいる印象がある
」とし、五月の連休以降の来店者数は、三―四月と比較して5%弱の減少とする。
石油情報センターが調査した給油所のレギュラーガソリン一リットル当たりの価格(九
日現在)は石川県が百七十四・三円、富山県が百七十四・六円。五月二十六日の調査では
石川が百五十九・八円、富山が百六十・二円だった。石川県石油商業組合は「七月は一―
二円の幅ではなく、六―七円上がるという観測もある。百八十円台に突入する可能性が大
きい」とみている。
消費者の生活防衛意識が一段と高くなり、大規模駐車場を備える郊外大型店も苦戦を強
いられている。ユニー北陸本部(金沢市)の加納昭義本部長は「全店的に影響がある。ま
ちなかの店舗よりも、郊外店の動きが鈍い」とし、白山市のアピタ松任店などは売り上げ
が約2%減少したとする。
昨年十一月に金沢市無量寺で開業した「アピタタウン金沢ベイ」は、五月末に大型釣り
具専門店が開業した効果で、集客力を維持しているという。ただ、消費の内訳については
「食料品や日用雑貨品など生活関連商品は比較的動いているが、衣料品や、家電、寝具、
インテリアなど大型住居関連商品などが弱まっている。広域集客向けの商品部門であり、
痛い」と警戒する。
イオンモール高岡(高岡市)も、駐車台数、入店者数ともに減少傾向にある。食品の値
上げなどで冷え込んだ消費にガソリン高が追い打ちを掛けたとみている。フューチャーシ
ティーファボーレ(富山市)でも車の乗り控え傾向は強く、同店は「買い回りを避けて一
カ所でまとめ買いする人が増えている」と分析する。同店によると、通常時は売り上げが
落ちているものの、特別招待会やセール時は売り上げが伸びているという。
食品スーパーのアルビス(射水市)は郊外出店が中心だが、今後、都市型店舗の出店も
検討する。現在は、特定商品を低価格で提供する「家計応援キャンペーン」で、まとめ買
いを促し、売り上げ確保を図っている。
北陸は、全国一の車社会とされる。一世帯当たりの車の保有台数は福井県が全国トップ
、富山県が二位で、石川県も十二位と上位にある。
さらに、一世帯当たりの年間ガソリン消費額も県庁所在地別で富山市がトップで、金沢
市は四位。人口十万人当たりのロードサイド店の事業所数は、福井県が首位、富山県が三
位、石川県が十四位となっており、ガソリン高が家計に与える負担は大きい。
生活防衛を意識し、外食を控える傾向が強まっており、チャンピオンカレーからは「す
ぐ結論は出せないが、こうした状況が続くなら、出店計画もまちなか寄りに見直しを検討
しなければならないかもしれない」との声も上がる。