
再開発準備組合が先月末に設立された総曲輪西地区(手前)。富山市の目抜き通りや総曲輪フェリオ(右奥)に面する=富山市一番町
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富山市中心部で進む六つの再開発計画で、マンションやテナント誘致の綱引きが激化し
ている。昨年九月の総曲輪フェリオ開業で、市中心部の集客力と注目度は一段と向上し、
各再開発準備組合や協議会にとっては追い風が吹いている。多額の事業収入が見込めるマ
ンションの誘致は、再開発事業の成否の鍵を握っており、各組合とマンション開発業者と
の交渉は「早い者勝ち」の様相を呈してきた。
富山市中心部では二〇〇六年に、西町東南地区、中央通り地区fブロック、西町南地区
の地権者らが三つの市街地再開発準備組合を設立し、マンションなど開発業者の選定が大
詰めを迎えている地区もある。他地域でも、ショッピングセンターや大型商業施設を核に
した再開発計画を持つ協議会が設立され、地権者の同意形成や事業協力者の募集を進めて
いる。
「現状のまま放置するわけにはいかない。次の世代に残る立派な再開発事業を行うため
、一日も早い本組合設立を目指す」。三月二十八日、総曲輪フェリオ開業後では初となる
再開発準備組合が総曲輪西地区で設立され、八木勇作理事長は保留床の取得先やテナント
の誘致を急ぐ考えを示した。
総曲輪西地区は、総曲輪フェリオの正面にあたり、国道41号に面する好立地。総曲輪
フェリオに並ぶ六千四百平方メートルの敷地に、食品スーパーやホテル、マンションなど
を誘致する計画で、二十階超の複合ビルを一二年十二月に完成させる目標を掲げる。同組
合は、テナント誘致を行う一般業務代行者を五月に決める方針で、「すでに何社かが興味
を示している」と、計画の“スピード実現”に自信を示す。
この大型計画に焦りを感じているのは、まだ着工の見通しが立っていない他の準備組合
や協議会関係者だ。計画具体化で遅れをとれば、先発組に需要を先取りされ、「新たに進
出を考えるマンション開発業者がいなくなる」(商店街関係者)との見方が強い。
富山市中心部では、市街地再開発事業以外でもマンション建設が続く。富山市の都心人
口誘導策が奏功しているとされるが、地権者の一部では「持ち家志向の強い富山で、これ
以上マンション需要があるとは思えない」との観測も流れる。
富山市中心部には、一九四五年八月の富山大空襲直後に建てられ、建て替えが必要な商
店も多く、各地の再開発事業の原動力の一つとなっている。国の重点支援を受けられる富
山市の中心市街地活性化基本計画の期間は残り四年、北陸新幹線開業を六年後に控え、再
開発事業を目指す地権者にとっては、これからが計画実現化への正念場となる。