富山県内に拠点を置く建材メーカーが、業界初の仕様を備えるなど話題性の高い新商品
の投入を加速している。昨年六月の建築基準法改正以後、住宅着工数が激減して各社とも
相当な痛手をこうむっただけに、春の新商品で不振をばん回したいとの思いが強い。住宅
着工数にようやく回復の兆しが見える中、各社とも「へこんだ業績を立て直す」と、懸命
の売り込みを続けている。
昨年の建材メーカーの直近の業績は、新規着工数激減の影響が如実に表れ、各社とも「
惨憺(さんたん)たる内容だった」(建材メーカー担当者)と振り返る。
YKK(東京)グループの二〇〇八年三月期業績予想、三協・立山ホールディングス(
高岡市)の〇七年十一月中間期、大建工業(南砺市)の〇八年三月期第3四半期とも、国
内住宅建材事業で40%以上の営業減益となった。生産量の減少で生産コストが割高とな
ったのに加え、各社が激しい価格競争を繰り広げたことも背景にあるとされる。
国内では例年、建材メーカー各社の多くが春に新商品を集中投入し、秋の着工シーズン
を目がけてハウスメーカーや顧客への営業を行う。ただし今年は、各社とも「昨年の穴を
埋めようと躍起になっている」(関係者)こともあり、付加価値を高めた新商品が多い。
富山県東部に生産拠点を置くYKK AP(東京)は四月から、自然の風を住宅内に取
り込む商品シリーズ「グリーンブリーズ」八商品を市場投入する。環境に配慮する企業姿
勢を示すとともに、「省エネ志向の施主の心をとらえたい」(広報グループ)とする。
シリーズ商品にそろえたのは、保水性ブロックのフェンス、換気効率の良い窓、間仕切
りなど「住宅に用いるあらゆる建材」。単一の商品群で家全体をカバーするのは初めてで
、二〇〇八年度にはシリーズで計四億七千万円の売り上げを目指す。
一方、富山県西部を本拠地とする三協立山アルミ(高岡市)の目玉新商品の一つは、上
部の形が丸みを帯びたアルミ合金製ドア。この形状は業界初であり、製造技術について担
当者は「そう簡単に他社がまねできない技術」と言い切る。
この「丸いドア」の商品化を担当したのは、昨夏に女性社員四人で編成した特別チーム
。「建材選びの主導権を握る」とされる女性の目線を生かしてデザインを施した。
同社は、引き戸が勢いよく閉まるのを防ぐ特許出願技術採用の「ブレーキ機構」も開発
。モダン系住宅に似合う新色「サンシルバー」を採用した各商品も販売し、市場拡大を図
る。
新商品ラッシュは、アルミ建材だけではない。大建工業は今年一月、壁材「さらりあ〜
と」で、日本建材・住宅設備産業協会の「調湿建材登録表示制度」第一号登録を果たした
。湿度を調整し、消臭、有害物質ホルムアルデヒドの吸着の機能を持っており、公的団体
から品質の“お墨付き”を得て、今春の商戦で、同機能の天井材、収納壁材とともに売り
込みを進めている。
国土交通省によると、今年一月の全国の新設住宅着工戸数は前年同月比5・7%減の約
八万七千戸。昨年六月の建築基準法改正以後七カ月連続の前年割れだが、減少率はようや
く一けた台に落ち着いた。「住宅着工が回復の兆しを見せ始めた」(関係者)好機をつか
もうと、建材メーカー各社の開発、販売競争は過熱する一方だ。