金沢大学と北國新聞社の共同事業「日本海イノベーション会議」の特別セミナーは一日
、金沢市の北國新聞会館で開かれ、金大で四月に設立される「イノベーション創成センタ
ー」の概要が示された。イノベーション創成センターは、学内の四つの関連組織を一体化
する施設で、センター長の下で、「将来開拓」「連携研究推進」「知的財産」「起業支援
」の四つの部門で構成され、新しい価値や技術革新をもたらす「イノベーション」のシー
ズ(種)をつくり育て、その知的財産をビジネスを通じて、社会へ積極的に還元する役割
を担う。
具体的な流れは、まず、「連携研究推進部門」が産学連携について、大学が持つ研究成
果などのシーズと、社会のニーズをマッチングし、実際に起業化が可能かどうかを検討す
る。産学による共同研究が進展し、成果が出れば、「知的財産部門」で権利化を図る。
その後、「起業支援部門」がベンチャー企業として育成支援を具体化。「将来開拓部門
」は企業の将来構想や人材育成などの計画を立案し、助言を行う。有限会社「金沢大学テ
ィ・エル・オー」が創成センターをサポートする。同計画を明らかにした金大次期学長の
中村信一理事・副学長は「金大には約千人の教員が研究活動をしており、成果を社会に還
元することが大学の一番肝心な役割だ」と強調した。統合される四つの組織は「知的財産
本部」「共同研究センター」「ベンチャービジネスラボラトリ(VBL)」「インキュベ
ーション・センター」。
セミナーでは、中村氏のほか、経済評論家の日下公人氏、北國銀行の安宅建樹頭取、三
谷産業(金沢市)の三谷充会長が加わり、「地域経済とイノベーション」と題しパネルデ
ィスカッションが行われた。金大の山崎光悦学長補佐がコーディネーターを務めた。
安宅氏は、北國銀行が資金を拠出し、国や石川県とともに創設する総額二百億円の「い
しかわ産業化資源活用推進ファンド(仮称)」を説明し、「種が実になり、木になるよう
積極的にベンチャー企業を支援する」と強調した。三谷氏はイノベーションを支える人材
育成として、自社でベトナム人社員を受け入れていることを紹介、「明確な目標、夢を持
つ人材であり、将来大きな力になると確信している」と語った。
山崎氏は「大学と企業との連携に銀行が接着剤となり、イノベーションが進展するのが
理想だと思う」と総括した。
この特別セミナーの詳細は後日、紙面で紹介される。