携帯電話大手三社の新端末と料金体系が出そろい、北陸の冬商戦が本格化している。最
大の焦点は、国の要請を受けて打ち出された新料金体系だ。営業戦略の違いを反映して三
者三様の方式となり、顧客が大きく動く可能性がある。各社がキャンペーンを張る一大商
戦で、「買い替えまでの期間が異常に長い」(業界関係者)とされる北陸の利用者の心を
とらえるのは、どこか。
「どっちが安くなるのか、よく分からん」。NTTドコモ北陸が新料金プランを導入し
た二十六日。金沢市内のドコモショップには、従来型の料金体系との違いを確認する問い
合わせが相次いだ。
ドコモの新しい販売方式「バリュープラン」は、端末価格が下がらない代わりに、基本
使用料を月額一千六百八十円割り引くことで、「長く使えば使うほど得になる」(広報担
当者)仕組み。
昨年十月の番号継続制の導入以後、劣勢に立たされているドコモ北陸。顧客の流動性が
高まる同制度の下では、「囲い込み策を講じなければ、最大シェアの維持は難しい」(関
係者)。「端末の買い替えサイクルが二年以上と、全国的にも長い」とされる北陸三県で
「長期間使う方がお得」なプランを打ち出すことで客離れを防ぐ作戦だ。
型落ちの端末なら安い場合、千円以下でも購入できる携帯電話だが、高性能のデジタル
カメラやインターネット機能などを盛り込んだ端末の実態価格は四―八万円にのぼる。店
頭の廉価販売は、携帯電話会社が販売店に奨励金を支払うことで維持されてきた。
ただ、従来の販売体系では、奨励金の原資は通話料に上乗せして徴収される。買い替え
期間が長い利用者ほど負担が増えることになり、総務省から改善の要請を受けていた。
NTTドコモ北陸とauブランドのKDDIコンシューマ北陸支社は今冬の商戦から、
従来型の販売方法と並行し、端末価格の割り引きをやめて通話料を下げる新方式を導入し
た。
しかし、KDDIコンシューマ北陸支社は、「新方式では端末の販売価格が高くなって
しまう」とし、従来型に新たな条件を加えた「フルサポートコース」を勧めている。
このコースは、二年間の使用を条件に、端末価格を二万一千円割り引く。しかも、契約
時にポイントを付与することで、二年未満で機種変更しても、ポイントとの相殺によって
解約料を抑えることができ、買い替えもしやすい仕組みとなっている。
キャンペーンでは、同コースを選んだ顧客にのみ、一千五十円分のポイントを贈るほか
、新規契約の場合は、代金をさらに一万五百円値引きする。料金比較表を作成し、店頭で
の説明に時間を割き、十三日の導入から、ほぼ100%の顧客が同コースを選んでいると
いう。
同社の場合、メールやインターネットなど、音声通話以外の料金が多いのが特徴。佐藤
信也支社長は「常に最新のコンテンツを楽しんでもらいたい」としており、最新サービス
を提供して「収益の柱」を維持するには、端末機能の定期的な更新が必要というわけだ。
一方、ソフトバンクモバイル北陸営業部は昨年十月に頭金無しで端末を購入できる「新
スーパーボーナス」を導入した。顧客は、端末代金を通話料金と一緒に最大二十四回で分
割払いする。
高額機種の場合、月々の負担が大きくなるが、その分、端末の値段に応じて通話料金を
割り引く仕組みだ。頭金なしで端末を持ち帰ることができるだけでなく、「月々の負担を
割り引くことで、実質的にはゼロ円で端末を購入したのと変わらない料金水準となる」と
いう。
料金体系をめぐり三者三様の布陣となった「ケータイ冬の陣」。顧客の反応次第では、
業界の勢力図をがらりと変える可能性もある。