通称「金沢カレー」で親しまれている石川のカレー専門店が、県外への進出を強めてい
る。代表的な店は、首都圏を中心に相次いで新規出店。特徴である濃厚なルーが「一度食
べたら癖になる」と人気を呼んでいるようだ。食の金沢の新しい味として「金沢カレー」
が全国で定着する日は来るのか―。
「成功する自信はあります」。十一月に北陸三県以外で初めての店舗を、東京・高田馬
場に開業するチャンピオンカレー(石川県野々市町)の南政広社長は自信満々だ。
「元祖金沢カレー」を掲げる同社は、北陸に「カレーのチャンピオン」を十七店展開。
年間約二百万食を売り上げる。新店舗は座席数二十席程度で、一カ月当たり七、八百万円
の売り上げを見込む。
今年一月、白山市に日量最大一万二千食を生産可能な新工場を設けた。食材の一次加工
を集中させるセントラルキッチン方式で「同じ味を大量に提供できる体制が整った」(南
社長)と、満を持しての東京上陸だ。
通称「金沢カレー」の元となる味を確立したのは、チャンピオンカレー創業者、故田中
吉和氏と言われる。約四十五年前、「洋食タナカ」を経営していた田中氏が、通常のカレ
ーとは一線を画す濃厚なカツカレーを考案。その味が、県内に広がったとされる。
一般的な「金沢カレー」は、ルーの上にカツをのせ、さらにソースをかける。味以外に
も特徴があり、ステンレスの皿に、付け合わせとしてキャベツの千切りが盛られ、フォー
クのように先が割れたスプーンで食べる。この独特の味とスタイルが、全国のカレーファ
ンを引きつけ、相次ぐ全国での出店につながっているようだ。
広域出店で一歩先を行くのは、ゴーゴーシステム(金沢市)。北陸を始め、東京や沖縄
に「ゴーゴーカレー」十六店舗を構える。今年五月、ニューヨークに初出店し、「金沢カ
レー」の海外一番乗りも果たした。さらに十一月中にも、東京に新たに三店舗を開業する
予定だ。
カレーの市民アルバ(小松市)は、飲食店経営を展開するKGF(東京)を通じて、昨
年から首都圏に五店舗を出店した。十一月、東京に新規出店し、来年七月には大阪への進
出も計画している。
全国のカレーファンの心をがっちりつかみ、広がりを見せる「金沢カレー」。新たな金
沢の名物になる日も遠くなさそうだ。