今村証券(金沢市)は二十二日、福井銀行と業務提携し、来月二日から銀行代理業務に
参入すると発表した。同証券が北陸三県に持つ九店舗で、同行の個人ローンや預金を取り
次ぐ。資本関係のない銀行と証券会社が代理店提携するのは全国初という。銀行、証券の
相互乗り入れに拍車が掛かりそうだ。
今村証券が扱うのは、福井銀行の普通預金、定期預金、住宅ローン、マイカーローンな
ど。顧客を銀行に紹介し、取り次ぎの窓口となる。同証券は手数料収入を得られるととも
に、リスク性商品以外も顧客に提案できることで、営業面の相乗効果が見込めるという。
福井銀行は、初期投資をかけずに、販売窓口を増やすことができる。特に、今村証券が
五店舗を構える石川県内で営業基盤を拡充でき、業態が違う双方にとって、新たな顧客層
の開拓につながる。
北陸財務局が二十二日、今村証券に対し、銀行代理業を許可した。同日、金沢市の金沢
エクセルホテル東急で会見した今村証券の今村九治社長は「株式だけだと収益がぶれるの
で、安定的な収益源として、かねてからリスクのない商品を扱ってみたかった」と参入の
理由を説明した。
福井銀行の市橋七郎頭取は「今村証券は、資産家が多い金沢に強い基盤を持ち、富山に
も力を入れているところが魅力。新たな富裕層を獲得できるかもしれない」と述べた。さ
らに、「逆に、今村さんの投資信託などを、うちの店舗で扱うことができればいい」とし
、証券仲介業での提携に発展する可能性もあるとした。
ただ、実際に、証券会社を通じて預金やローンを申し込むニーズがどこまであるかは未
知数だ。今村社長は「全くの手探りなので、やってみないと分からない」とし、市橋頭取
は「三年ほど様子を見て、思わぬボリュームがあれば、システム回線を結ぶこともあり得
る。そこまでの投資ができるようなら、成功と言っていい」と述べた。
今村証券は、福井銀行以外にも、複数の銀行と交渉しており、他の銀行から申し入れが
あれば、積極的に検討していく方針という。