金沢市中心部と金沢駅周辺の商業者が、買い物バスの運行でタッグを組む。六月末から
土日祝日に、駅、武蔵、香林坊、片町を回遊する無料バスを走らせる。買い回りを良くし
、駅と中心街で客を囲い込むのが目的。金沢商圏では「震災以降、県外客が減った」との
声もあり、ライバル同士の“呉越同舟”で商圏全体の魅力を高めて県外客のストローを狙
う。
無料バスを計画しているのは、金沢商業活性化センター、金沢中心商店街まちづくり協
議会、武蔵活性化協議会、金沢フォーラスなど。三十一日に「金沢ショッピングバス実行
委員会(仮称)」を発足させ、詳細を協議する。
計画では、西日本ジェイアールバスが運行する二台のバスが、金沢駅西口、金沢フォー
ラス前、武蔵、香林坊、片町、竪町、金沢21世紀美術館を結ぶルートを回る。停留所に
は、三十分ごとにバスが来ることになる。
運行期間は、六月三十日―八月二十六日の前期と、十月六日―来年一月十三日の後期に
分かれ、この間の土日祝日に実施する。正月も含めると、運行日は五十七日間。事業費は
八百万円で、金沢市の助成分を除く四百万円は、金沢中心商店街まちづくり協議会、金沢
フォーラス、武蔵活性化協議会で負担する。
買い物客の商圏内での滞在時間を延ばし、より多くの消費を促すとともに、JR利用の
県外客の“駅前止まり”を食い止める狙いもある。これまで、竪町商店街や香林坊109
が駅との間で独自に無料バスを運行するケースはあったが、今回は金沢フォーラスが初め
て資金面でも協力する。
金沢市中心部の商業地では、三月ごろからブランド品など身の回り品を中心に売り上げ
が低迷している。「一度に多額のお金を落とす県外客が、震災で減ったのが一因ではない
か」(専門店幹部)との見方もあり、金沢フォーラス開業前後から続いてきた県外から金
沢への消費者の流れにブレーキが掛かっている。
今回の無料バスは、実験的な運行となるが、金沢中心商店街まちづくり協議会は「ワン
コイン(一律百円)バスなどで継続したい」としている。
九月の大和富山新店の開業で、富山から金沢に来る買い物客が「一時的に落ち込む」と
みる流通関係者が多く、金沢商圏では、商業集積が進む駅周辺と、これをライバル視して
きた中心商業地の連携が一段と進む可能性もある。