コンビニエンスストア各社が北陸で地域色を競い合っている。ローソン(東京)は富山
、福井両県と協定を結び、サークルKサンクス(同)は地産地消の商品開発のシステム作
りを進めている。北陸のコンビニは各社の出店競争が続いた結果、パイを奪い合う「飽和
状態」(業界関係者)となっており、特色を打ち出して客を引きつける狙いがある。新た
な客層として、地域の高齢者を取り込もうとする動きも広がってきた。
ローソンは七日、福井県と包括的連携に関する協定書に調印した。ローソンは福井では
八十四店を出店しており、各店が各地域の事情に合わせた貢献活動をする「一店一協」運
動を展開する方針。学校に近い店が学校行事やPTAの文書を掲示したり、観光地の店が
観光案内パンフレットを置くなどの活動を考えている。特産品を同社のネットワークで全
国発信する「地産外消」活動の展開で地域の活性化にも貢献する。
同社は昨年八月に富山県とも提携を結んでおり、子育て家庭への一部商品の値引きなど
を実施してきた。今後、富山、福井両県で、授乳やおむつ替えのコーナーなどを設置した
子育て支援強化店の開設を検討する。
地産地消の商品の強化を図っているのが、石川県で百九十三店舗を展開するサークルK
サンクスだ。北陸の農家と食品メーカーに地元食材を使った商品を開発してもらい、同社
で取り扱うシステム作りに取り組んでいる。先月、農家やメーカーに参加を呼びかけたと
ころ、それぞれ百件以上の問い合わせが寄せられているという。八日に第一回食材会議を
開き、五月上旬ごろまでには新商品が店頭に並ぶ見通し。
ファミリーマート(東京)も北陸で能登牛を具材にしたおにぎりを限定発売したり、惣
菜の味つけを東京より甘めにするなど、地元の好みに合わせた商品開発に力を入れている
。
各社が地域色を打ち出す背景には、大手各社が同質化した店舗を大量に出店した結果、
既存店の売上が伸び悩んでいるという事情がある。各社とも「今後は、地域の人の愛着を
得られるかどうかが重要になる」(サークルKサンクス北陸地区担当者)と指摘する。
こうした中で、業界が新たな客層として注目するのが、これまでコンビニと縁遠かった
地域の高齢者だ。ファミリーマートは先月末に羽咋市宇土野町に、レジの横に高齢者らが
座って飲食を楽しめるスペースを設けた新店舗を開店、ローソンも福井県で生鮮食品や仏
花、和菓子を多く取りそろえた高齢者に優しい店舗の展開を計画している。
これまで全国共通の店舗展開や品ぞろえのイメージが強かったコンビニだが、地域のニ
ーズや環境に合わせる柔軟な姿勢が淘汰の時代を生き抜くカギとなりそうだ。