【2月1日03時35分更新】
 ■ 北陸の経済ニュース

◎「VISTA」に視線 北陸の企業、海外投資 ポストBRICsの新興国グループ

 北陸の企業が、新興国の有力グループ「VISTA」(ベトナム、インドネシア、南ア フリカ、トルコ、アルゼンチン)に視線を向け始めた。最も有望視されるベトナムでは、 三谷産業(金沢市)が子会社の五十人増員を計画し、北陸銀行は政府の投資担当省と協定 を結んで取引先の支援体制を整えた。トルコの市場を狙って現地法人と手を組む地場企業 もあり、中国一辺倒だった海外進出の潮目が変わってきた。

 「VISTA」は、成長が著しい五つの新興国の総称で、ポスト「BRICs」(ブラ ジル、ロシア、インド、中国)の最有力グループとされる。特にベトナムは近年、7%前 後の高い経済成長を続け、「VISTA」の中でも注目度が高い。

 三谷産業は今年、設備工事CADのベトナム子会社の事業を拡大する。ホーチミンの本 社は七十人から百人、ハノイ事務所は五人から二十人程度に増やす。日本の建設関連需要 の増加に対応するためで、樹脂成形の現地子会社でもハノイ近郊に新工場を計画している 。

 ベトナムは親日的な国民性と、安価で質の高い労働力が魅力とされる。三十一日、金沢 市内で開かれた北陸銀行のベトナム投資セミナーで、三谷充社長は「中国は秩序なき経済 開放だったが、ベトナムはゆっくりだが確実に、混乱なく発展している」と、同国の投資 環境の良さを紹介した。

 高松機械工業(白山市)は今期、ベトナムへの工作機械の販売額が前期より倍増する見 通し。東亜電機工業(金沢市)は現地で、建設機械向けワイヤーハーネス(組み電線)を 生産する計画を進めている。

 トルコには、有望市場になるとみて進出する企業が目立つ。

 小松精練(能美市)は昨年五月、イスタンブールで現地の繊維企業と代理店契約を交わ した。同国の購買力が高まることを見越し、自社の衣料素材を商社経由でなく直接販売す るのが狙いだ。同社は「トルコの代理店は東欧の販路開拓の拠点にもなる」とする。

 トルコの商社とディーラー契約を結んだのは、中村留精密工業(白山市)。自動車メー カーの現地工場で需要が見込めると判断したためで、販売代理店契約への格上げも検討し ている。

 コマツ(東京)は、イスタンブールに建設機械のサポートセンターを開設した。また、 南アフリカでも、鉱山向けを中心に需要が伸びるとみて粟津工場(小松市)で生産する建 機を拡販する。

 インドネシアでは、大同工業(加賀市)が子会社でバイク用のリム(車輪)を生産。伊 藤忠商事金沢支店は昨年から、同国の提携工場で、中東女性の民族衣装の織布をつくり、 石川、福井の染色工場で加工、再輸出をしている。

 北陸銀行のセミナーで、同行と業務協力協定を締結したベトナム計画投資省のグエン・ ビック・ダット副大臣は「大企業だけでなく、当地の中小企業や、すそ野産業の投資も待 っている」と、北陸の中小企業の進出を呼び掛けた。

 北國銀行もベトナム投資をテーマにしたセミナーを開くなど、進出支援の動きも活発に なっており、新たな投資先として「VISTA」への関心が高まりそうだ。


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