【1月25日04時36分更新】
 ■ 北陸の経済ニュース

◎「郵政特需」に沸く 北陸の繊維産地 民営化で制服30万着余り大量受注

 北陸の繊維産地が“郵政特需”に沸いている。日本郵政は民営化に伴って三十万着余り の制服を一新する計画で、石川、福井の繊維関連企業に大量の注文が舞い込んでいるとい う。衣料生産の国内回帰の流れもあり、産地の各工場は「久方ぶりの増産」(関係者)に 追われるが、特需が切れる春以降、仕事量を確保できるかどうか、懸念する声も出ている 。

 二十四日、中小企業金融公庫金沢支店が発表した昨年十―十二月の景況調査で、北陸の 繊維業の業況判断指数は、前期のマイナス六・七からプラス一四・三と大きく改善した。 会見した藤原勉支店長が“繊維復調”の要因として挙げたのが、「郵政のユニホームの大 量受注」である。

 日本郵政は、民営化後の職員の制服について、四つの事業会社別にデザインを変え、一 年半分を一括調達する方針だ。制服の新調費用は総額で約百四十億円。常勤職員だけで二 十五万人以上という大型商談となり、昨年末までに入札、発注を終えたという。

 デザインなど詳細は、日本郵政は今春にも開く発表会まで社外秘としているが、業界関 係者によると、今回はウール素材より合繊素材を多く採用するとされ、それが、合繊産地 である北陸に特需をもたらしたようだ。

 北陸の受注先は糸加工、織布、編み、染色加工と、幅広い業態にわたっている。

 帝人ファイバー北陸営業所(福井市)は「石川の糸加工会社にかなりの大量発注をした 」とする。作業用ユニホームを手掛ける創和テキスタイル(羽咋市)は生地の生産を急ピ ッチで進める。小松精練(能美市)にも、二種類のユニホームの加工注文が来ている。

 大手合繊メーカーによると、北陸の織布業者の稼働率が上がってきたのは、昨年秋ごろ から。年末の郵政特需に備え、定番製品の生産を前倒ししたためという。「繊維業界では 長年、廃業が続き、生き残った数少ない企業に発注が集中する」(関係者)という事情も ある。

 ただ、大手商社の地元幹部は「生地の製造が春ごろに終わると、今の勢いがあっという 間になくなるかもしれない」と危惧(きぐ)する。暖冬で冬物衣料の売れ行きが伸び悩ん でいることもあり、「まだ先行きを楽観できる状況ではない」との見方もくすぶっている 。


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