改正容器包装リサイクル法(容リ法)の四月施行を前に、北陸のスーパーがレジ袋の減
量作戦に本腰を入れている。減量の切り札となる”有料化”が、東京や京都の一部で始ま
ったものの、北陸では「やるなら横並びで」と客離れを心配し及び腰。代わりに力を入れ
ているのが、買い物袋(マイバッグ)の浸透で、値引きサービスを競ったり、おしゃれな
バッグの開発を進める動きも出てきた。
今月、イオン(千葉市)と、首都圏を中心とするスーパーのサミット(東京)が京都、
東京の実験店舗でレジ袋を一枚五円とする有料化に踏み切った。北陸では、コープたまぼ
こ(金沢市)が一枚五円で客に環境募金を呼び掛ける例はみられるが、有料化となると、
各スーパーは慎重姿勢を崩さない。関係者は「消費者が必ず反発する」「コンビニが無料
なのにスーパーだけ有料というわけにいかない」「有料化した分、スーパーがもうかった
と思われかねない」と導入の難しさを指摘する。
本来、レジ袋の有料化は、スーパー側にとって「ありがたい話」(流通関係者)だ。石
川県内の包装資材業者によると、原油高により、レジ袋の卸値はここ二、三年で倍程度に
跳ね上がっており、有料化し、レジ袋を削減できれば、コスト削減につながるからだ。
こうした中、北陸のスーパー関係者からは「有料化は時代の流れ」とし、行政の協力を
求める声が出ている。石川県の地場スーパーの幹部は「条例化などで、ヨーイドンで一斉
に始められれば取り組みやすい」とする。実際、イオンやサミットの場合、地元の自治体
と協定を締結し、行政側が住民に取り組みの意義を呼びかけるなど支援に動いている。
レジ袋削減の特効薬ともいえる有料化に尻込みする各スーパーが、頼みの綱とするのは
マイバッグ運動である。
北陸では、大手のイオン、ユニー(愛知県稲沢市)、平和堂(滋賀県彦根市)、地場の
東京ストアー(金沢市)、マルエー(白山市)、アルビス(射水市)、フレッシュ佐武(
高岡市)などがマイバッグやバスケットの販売、レンタルを実施。マイバッグやバスケッ
トを持参した買い物客に、ポイントを加算し、一定以上たまったら値引きを受けられるサ
ービスを展開している。
マルエーの場合は、強化策として昨年七月に、金曜日のバッグ持参者に通常の五倍のポ
イントを出すサービスを開始したところ、実施前は全店平均で10%だった持参率が14
・5%に上がった。大阪屋ショップ(富山市)もポイントサービスの導入の検討を始めた
。
マイバッグの持参率を高めるためには、日ごろから持ち歩けるようなおしゃれなデザイ
ンや機能が重要と、品ぞろえを強化するスーパーもある。
東京ストアーでは、現在、無地のマイバッグ二色を扱っているが、今後、デザインを工
夫したバッグも販売する計画。北陸三県のスーパー十六社七十六店が加盟する北陸スパー
ギルド協同組合(富山市)は、四月に内側に保冷シートを張った独自のマイバッグを販売
する。
雑貨店でも、デザイン性や機能性に優れたマイバッグが人気だ。ねづや(金沢市)が経
営する雑貨店では、折りたたむと動物の形になるバッグなどが人気を集めており、売り上
げも四、五年前より二割ほど増えているという。
しかし、マイバッグが浸透するかどうかについて、業界関係者の見方は厳しい。「スー
パーの働きかけに反応する層は限られている。持参率はせいぜい20%ぐらい」(大手ス
ーパーの北陸事業部幹部)というのだ。各社によると、環境に関心のある主婦がマイバッ
グを携えても、高齢者や学生が持参する例は少ない。レジ袋にしても、「ただならもっと
ちょうだい」と多めに求める客もいるという。
「結局、最後の切り札は有料化しかないのだが…」。スーパー関係者は本音を打ち明け
る。容リ法の施行で全国に有料化の動きが広がることが予想される。北陸でも、有料化が
導入される時期は、そう遠くないのかもしれない。
●改正容器包装リサイクル法 石油換算で50万キロリットル、年間300億枚が使用さ
れるレジ袋などの容器包装を減らすため、環境省などが定める基準に基づき小売業者に対
し、レジ袋、紙製の手提げ袋などの減量目標を策定するよう求める。一定規模以上の小売
業者に対し、毎年度の達成状況を国に報告する義務を課し、減量が不十分な場合は社名を
公表、改善を勧告、命令できる。命令に従わない場合は50万円以下の罰金。環境省はレ
ジ袋の10%程度の減少を見込んでいる。