北陸の給油所で、ガソリン価格がじりじりと下がっている。高値のピークだった昨年秋
より一リットル当たり十円ほど安くなったが、省エネ意識の浸透に加え、「高いという感
覚がまだ残っている」(金沢市内の給油所)ことから、需要は戻っていない。暖冬で、灯
油の販売量も前年同期より二―三割少なく、給油所にとっては”寒い冬”となっている。
石油情報センターによると、一月十五日時点のレギュラーガソリン店頭小売り価格(一
リットル当たり)は、石川県が百三十六円、富山県が百三十一・七円。元売り各社が卸値
を引き下げたためで、ピークだった昨年九月と比べ、富山で十三円、石川で八円程度安く
なっている。
それでも、北陸の給油所では「買い控えが続いている」(金沢市の三谷サービスエンジ
ン)という。北星産業(石川県野々市町)は「数年前は九十円台だったので、まだまだ下
がると思われているようだ」と、上向かない消費者心理に気をもむ。
石川県石油商業組合は、新車販売が伸び悩む一方で、燃費が良い軽自動車が増えている
ことを挙げ、「省エネ意識が高まった今、ガソリン需要のV字回復は難しいだろう」とみ
ている。
給油所経営にとって、さらに深刻なのが「雪なしの暖冬」による影響だ。富山県石油業
協同組合は「暖冬はガソリン消費の敵。積雪による渋滞がなく、運転前のアイドリングも
少ない」と、暖冬のマイナス効果を指摘する。実際、富山石油(富山市)は、一月のガソ
リン販売が前年比で三割程度減る見通しという。
灯油についても「値下げしても、気温が高いと販売量は伸びない」(金沢市内の給油所
)とされ、ホームセンターなどでも灯油を冬の目玉商品にする動きが下火となっている。
業界では「給油所はまだ多い。安売りしても売れないとなると、淘汰が一気に進む」と、
当分は”冬の時代”が続くとの見方が広がっている。