【1月19日03時37分更新】
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◎北陸の企業、銀行「助かった」 追加利上げ見送りで

 十八日、日銀の金融政策決定会合で追加利上げが見送られ、北陸の企業や金融機関の間 では「ひとまず助かった」と安どのムードが漂った。将来の利上げを見越し、地場企業は 資金調達や負債圧縮を急ぎ、住宅メーカーは「今のうちに」と短期決戦で営業攻勢を掛け る。地方銀行は貸出金利への転嫁が追いつかず、追加利上げを警戒している。

 「今、利上げされたら、利ざやの低迷に追い打ちを掛けられるところだった」。北陸の 地銀の法人担当者は、追加利上げの見送りに胸をなで下ろす。

 昨年七月のゼロ金利解除を受け、北陸の地銀は昨年九月に短期プライムレート(貸出優 遇金利)を一斉に引き上げたが、まだ取引先との利上げ交渉が完全に終わっていないのが 実情だ。

 金融機関からは「金利の上昇局面には(預金の利上げに比べ)貸出金の利上げが遅れる 傾向がある。短期的には、収益のマイナス要因になる」(北國銀行の安宅建樹頭取)と、 追加利上げを懸念する声も漏れる。

 持ち直してきた企業の資金需要にも、冷や水となりかねない。追加利上げにより、企業 の設備投資が減速し、借入金を圧縮する動きが広がれば、融資先の確保に向けた金融機関 の争いが一段と激しくなる展開も予想される。

 二〇〇六年九月中間期は、貸出金が伸びた地銀が多く、金利の先高観を背景にした企業 の駆け込み投資の側面もあるとされる。「利上げ先送りが経営サイドの駆け込み心理をあ おり、一時的には資金需要が増えるかもしれない」との観測も流れている。

 北陸の企業の間では、追加利上げの見送りについて「消費の動きが弱いのに、利上げを 急ぐ必要は全くない」(澁谷弘利石川県鉄工機電協会長)と歓迎ムードが強い。

 追加利上げは、多額の負債を抱える企業の資金繰りを圧迫しかねず、十八日、金沢青年 会議所の新年互礼会であいさつした深山彬金沢商工会議所会頭は「会議所の会員は中小企 業が多く、追加利上げが先送りになったことは良いことだ」と語った。

 金利上昇リスクを回避しようと、私募債や社債で早めに資金を調達する動きが加速しそ うだ。

 日成ビルド工業(金沢市)は昨年十月、総額十一億円の私募債を発行し、運転資金を調 達。また、長期借入金を圧縮し、〇六年九月中間期末で三億二千八百万円と一年前より十 億円以上減らした。北陸電力は、今期の社債発行額を当初計画より三百億円増やし、設備 投資や既存社債の償還に必要な資金を先行調達している。

 追加利上げは、高水準の設備投資にも影響を与えかねない。「0・25%程度の上げ幅 なら、実施されても影響は小さいが、新規の設備投資には心理的なマイナス要因になる」 (伊藤勝信タケダ機械社長)との見方もあり、当面は利上げの動きをにらみながらの舵取 りを迫られている。

 北陸の住宅メーカーは、追加利上げの見送りを商機ととらえる。

 石川県木造住宅協会の村上紀夫会長は「今回の見送りは、近々上げるぞという信号。ロ ーンの金利がもうすぐ上がることを客に伝え、需要を掘り起こしたい」とし、利上げ間近 をアピールして営業を展開する考えだ。

 プレハブ建築協会北陸協議会の中村泉会長も「見送りはありがたい。一時的にせよ、購 買意欲を刺激するのではないか」と、駆け込み需要の拡大に期待している。


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